ポメラニアン、お散歩デビューのノウハウ

ポメラニアンにかぎらず、ワンちゃんのお散歩デビューを甘く見てはいけません。スムーズなお散歩デビューのためにはしっかりとした段取りを踏む必要があります。お散歩デビューに必要なことをひとつひとつ見ていきましょう。




 お散歩デビューの前に

「いますぐにでも散歩に行きたい!」という気持ちは分からなくはありません。ですがちょっと待った。しっかりとした段取りを踏んでいく必要があります。正しい知識を身につけ、散歩デビューに向けた準備をしていきましょう。

お散歩デビューは必ず混合ワクチンの接種後に

仔犬は、母親から免疫抗体を受け継いで生まれてきます。ところが生まれてから時間がたつうちにその免疫がどんどん無くなっていってしまいます。そのためそのまま外の世界やほかのワンちゃんと触れ合うと様々な感染症の危機にさらされてしまうのです。そこでワンちゃんを感染症から守るための免疫をつけるため、およそ生後6週から14週の間に混合ワクチンを複数回打つことになっています。

つまり地面を歩き様々なものに触れ合うことになるお散歩は、この混合ワクチンの接種がすべて終わり、完全に感染症の免疫がついてからということになります。免疫のない状態でお散歩をしてしまうと簡単に感染症にかかってしまい命を落としかねません。混合ワクチンの接種が終わる前のお散歩デビューは非常に危険です。

接種後すぐに免疫ができるわけではありません。抗体が完全に出来上がるのに4から5日ほどかかります。そのため、お散歩デビューの目安としては「混合ワクチンの接種がすべて終わり一週間程度たってから」になります。とはいえこれはあくまで目安です。接種後どれくらいの日にちをあけるべきかは必ず獣医さんの指示に従ってください。

獣医さんにもよりますが、混合ワクチンの接種は2~3回程度です。最後の接種が終わるのが生後13週から14週程度。だいたい生後4か月ほどになります。それまでお散歩は我慢してくださいね。大切なワンちゃんの命を守るためです。

お散歩デビューの前にやっておくべきこと

ワクチン接種が終わったからといって、いきなり首輪をつけ、外に連れ出し、さあ歩けと言われても、ワンちゃんにとってそれは無茶なお願いです。

スムーズなお散歩デビューのためには、ワクチン接種をしているまだ散歩に行けない期間中にも、できることから準備を進めておく必要があります。

家の中で首輪・リードに慣れる

ポメラニアンのような家庭犬の場合、普段首輪をつけていないワンちゃんも多いと思います。そんな子はまずは「首の周りにに何かがある状態」に慣れていきましょう。

  1. リボンやひもをつけて遊ぶ

    いきなり首輪をつけてみてもよいのですが、どうしてもいきなりだと違和感を覚え動かなくなってしまうなんて子もいます。まずはやわらかいリボンやひもを用意し、軽く首に巻いてあげます。そのまましばらく普段通り遊んでみてください。初めはリボンを気にするかもしれませんが、大好きなおもちゃで遊んであげれば夢中になって次第に気にしなくなっていきます。必ずあなたの目の届くところで!絡まって首が閉まらないよう細心の注意を払ってください。

  2. 細め軽めの首輪に変えてみる

    リボンに慣れてきたら、ナイロンなどの軽めの素材の細い首輪に付け替え、実際の「首輪」に慣れていきます。こちらも同様に普段通り遊んでみてあげてください。

  3. リードをつけ家の中をうろうろ

    リードをもち家の中をうろうろとお散歩してみましょう。名前を呼んで声をかけながら部屋の中や廊下を歩いてみます。「飼い主さんにリードされながら歩く」ということに慣れさせていきます。うまく歩けたらご褒美をあげるなどし、たっぷり褒めてあげるとgood。飼い主さんと一緒に歩くことを楽しいものにしてあげましょう。

はじめは一日5分程度の練習から。徐々に時間を増やしていきましょう。

抱っこで外の世界に慣れる

抱っこをして外に連れ出し、そのまま家の近くを歩き回ってみましょう。

仔犬のうちから外の世界を体験するということは、スムーズなお散歩デビューのためというだけではなく、社会性を身につけ人間社会に順応するという面でも非常に重要です。

はじめは数分程度で構いません。怖がっているようでしたら無理をする必要もありません。様子を見ながら徐々に時間を長くしていき行動範囲を広げていきましょう。仔犬のうちから色々なことを体験させてあげます。

ワクチンが終わってないのに外に出ていいの?

「え、ワクチンが終わってないのに大丈夫なの?」と不安に思われた方も多いのではないでしょうか。結論から言うと、抱っこをして外出することは問題ありません。

地面を歩くことにより、道にある色々なもののにおいを嗅いだり、ときに拾い食いをしたりと、外の様々なものと触れること、またほかのワンちゃんと触れ合うこと、こういったことにより感染する感染症を予防するのが混合ワクチンです。つまり地面におろして歩かせたり、ほかのワンちゃんと触れ合ったりしなければ全く問題なく、抱っこをして外出することには特に問題がないというわけです。

「社会化期」を逃さない

「別にワクチンが全部終わってから散歩をする中で外の世界に慣れていけばいいじゃないか」そう思われたそこのあなた。実はそれでは遅いのです。

生後3週から12週間は社会化期と呼ばれる時期になります。この「社会化期」は、最も社会化に適した期間。つまり「自分を取り巻く環境に順応しやすい期間」になります。この期間に外の世界の様々な音やモノ、ワンちゃんや人間といったものに触れることで上手に人間社会に順応できるというわけです。

これを逃してしまうと「外の世界を怖がってしまって全然歩かない」、「散歩中に知らない人に吠えてしまう」、「そもそも散歩に行きたがらない」なんてことに繋がります。

ところがワクチン接種が終わるのはちょうど社会化期が終わるころです。そのため、ワクチン接種が完了する前のこの「社会化期」に、様々な外の世界を体験させてあげることが非常に重要になってくるというわけです。

いよいよお散歩デビュー!

首輪・リードにも慣れ、外の世界にも怖がらなくなり、ワクチン接種も終わったら、さあいよいよお散歩デビューです!

散歩の時間と頻度

「小型犬は室内の運動で十分だから毎日散歩に行く必要はない」なんてことを耳にすることもありますがそんなことありません。確かに運動量で見れば毎日行く必要はないですが、ストレスの発散や外に出ることによる気分転換、様々なものにふれあい社会性を身につけるなど、散歩に行くことで得られるものは多岐にわたります。運動不足の解消だけが目的ではないのです。

天候が悪い時に無理に連れ出す必要はありませんが、散歩にはできるだけ毎日連れて行ってあげることをおすすめします。一日の頻度としては朝夕の二回がGood。

慣れるまでは数分のお散歩からスタート。成犬のポメラニアンの散歩時間の目安は一回当たり10分から15分程度です。体力には個体差がありますので様子を見ながら徐々に時間を長くしていきましょう。

お散歩時の注意点とポイント

ウンチ袋と水は忘れずに

ワンちゃんが散歩中にトイレをした時のために、ウンチ袋は必ず携帯するようにしましょう。水は飲むためにも、ウンチやオシッコのあとを流すためにも必要です。

ワンちゃんのトイレの後始末は飼い主としてのマナーです。

拾い食いには注意

人間の赤ちゃんと同様にワンちゃんも仔犬のうちはなんでも口にしたがりがち。道路には何が落ちているかわかりません。ゴミが落ちていたり、たばこの吸い殻なんかも落ちています。ちょっとした拾い食いが思わぬ病気につながったり、場合によっては命に関わってしまうなんてことも。

特にポメラニアンは好奇心旺盛で何にでも興味を示しがち。散歩中は十分注意を払いましょう。

生後半年までは無理をしない

ポメラニアンは生後半年くらいまでは骨格が未完成で、運動のし過ぎはかえって成長に良くないとされています。そのため仔犬のうちは、散歩に慣れてきたからといって長い時間連れまわすのはあまりよくありません。また段差や階段にも注意しましょう。

家の中でたっぷり遊んだ日は、家の周り軽く一周する数分のお散歩におさえるなど、工夫が必要です。

骨格が出来上がるまでは無理な運動は控え、様子をみながらお散歩するようにしてください。

散歩に行く時間は毎日変える

決まった時間に散歩に行く習慣がついてしまうと、時間になると催促して吠えたり、飼い主の都合や天候(雨や雪など)で散歩に行けないときにストレスになったりしてしまいます。散歩に行く時間を習慣化してしまうことにメリットはありません。

できることならば毎日散歩に行く時間はずらすようにしましょう。

飼い主が主導権を握る

しつけのためにも安全のためにも飼い主が常に散歩の主導権を握ること。ワンちゃんの好き勝手行きたい方向に常に振り回されているなんてことがないようにしましょう。

ただ、歩かないからと言って無理に引っ張ってはNGです。散歩がつらいものだと思ってしまい散歩が嫌いになってしまいます。

何事も初めの第一歩が大切

ポメラニアンのような室内犬にとってお散歩とは、運動する時間、ストレスの発散や気分転換の時間というだけではありません。普段の生活の中で接することのない外の世界で、ほかのワンちゃんやネコちゃん、車や自転車、見知らぬ人たちといった様々なものと触れ合うことができるとても重要な時間になります。

そんなお散歩をワンちゃんも飼い主さんも楽しいと思えるような有意義なものにするためにも、初めの第一歩である「お散歩デビュー」をどう進めるかがとても大切です。お散歩デビューに失敗してしまうと、将来ずっとお散歩が嫌いなワンちゃんになってしまうなんてことにもなりかねません。

できることからしっかりと準備を進めスムーズなお散歩デビューを果たしましょう。